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ショパンそしてラフマニノフ…  Chopin and Rachmaninov・・・

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中山七里さんのミステリー「いつまでもショパン」と「おやすみラフマニノフ」を読みました。

これは、先日読んだ「さよならドビュッシー」が本当に面白かったので、ピアニスト岬洋介が活躍する同じシリーズを読んでみたくなったからです。

「いつまでもショパン」は、かの有名なショパンコンクールが舞台。
コンクール開催国のポーランドの大統領が乗った政府専用機が何者かによって、爆破され墜落。
大統領夫妻以下、政府関係者と軍幹部ら96人が全員死亡するところから、物語が始まります。

コンクールはそのような緊張状態の中開かれるのですが、日本からは、岬洋介そして盲目のピアニスト榊場隆平(リュウヘイ・サカキバ)も参加して、素晴らしい演奏を披露します。

しかし、コンクールの会場で、殺人事件が発生・・・

筆者は、コンクールの課題曲である、ショパンの名作を次々に、描写していきます。
学生時代、ショパンを研究課題にしていた私にとっては、そのどれもが、時間をかけて練習に取り組み、その美しさに感動した曲ばかりです。

行を追うごとに、頭の中に曲が鳴り響きます。

コンクールの熱狂と次々起こる奇怪な事件…一度読み始める目を離せなくなるおもしろさです。

今回も岬洋介が鋭い推理で犯人をつきとめます。

ショパンの曲を弾いたことのない方には、楽曲の説明が少しめんどくさく感じられるかもしれませんが、その場合ぜひ、ショパンのCDをかけながら、これをお読みになるといいかもしれません。


「おやすみラフマニノフ」は、名古屋の音楽大学が舞台になっています。
こちらは、ローカルな街の様子がいろいろ出てきて、名古屋生まれの私には、とても楽しく感じられます。

岬洋介が講師を務める音楽大学では、学長 柘植彰良(つげ あきら)が演奏するラフマニノフのピアノ協奏曲をプログラムにした定期演奏会が計画されます。

柘植は、稀代のラフマニノフ弾きとして名高いのですが、もう70歳を超す老巨匠です。
オーケストラは、学生たちからオ―ディションで選ばれた者たちから結成され、大学の音楽博物館に所蔵されている、ストラディバリウスをはじめとする、名器が演奏者に貸し出されることになっています。

ところが、ある日時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが完全密室で保管されているのにもかかわらず、盗まれてしまいます・・・

ヴァイオリン専攻の学生のボク、城戸晶(きど あきら)を主人公に語られる現代の音大生の生態・・・

作者中山七里さんは、音大出身でも、音楽家でもないのですが、実に生き生きとオーケストラの練習風景や、音楽大学の様子を描いています。
こちらも本当に面白く楽しい作品でした。

中山さんは、お名前から推察して女性かと思っていたのですが、インターネットで調べたところ、1961年生まれの男性だそうです。
音楽に対する素晴らしい鑑賞眼をお持ちのミステリー作家です。
本の経歴のところには、現在、会社員とも書いてあります。
楽しい方ですね。

by fiorimusicali | 2013-02-19 15:32 | 文学・語学Literature | Comments(0)  

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