ヨス・ファン・デア・コーイ オルガンリサイタル Jos van der Kooy Organ Recital
2013年 06月 17日
私がパイプオルガンを学んだ神戸松蔭女子学院大学のチャペルのパイプオルガンが奉献30周年を迎え、記念のオルガンコンサートがシリーズで行われています。
今回は、オランダでは知らぬ人がいないと言う即興演奏の名手、ヨス・ファン・デア・コーイさんが、初来日され、オルガンコンサートをなさいました。
コーイさんは、このブログにも登場した、鈴木雅明先生のご子息優人(まさと)さんのオルガンの師匠でもある方です。
初めて聴かせていただけるその演奏をとても楽しみに、松蔭に出かけました。
プログラムは16世紀ポーランドの修道士ヤン・デ・ルブリンの5つの舞曲という古い珍しい作品から始まりました。
松蔭のフランス古典様式のオルガンの澄んだ音色がチャペルいっぱいに響き渡ります。
続いてスウェーリンクのエコー・ファンタジア…スウェーリンクはオランダ、アムステルダム市のオルガニストでしたが、コーイさんは、まさにその後を受け継ぐオルガニストでいらっしゃるのです。
続くバッハのトリオソナタ第6番とトッカータへ長調は、私の大好きな作品です。
素晴らしい演奏を聴くことができて本当に満足でした。
後半は、フランスの作品とモーツァルト、そして、コーイさんの即興演奏でした。
即興演奏は、コンサートが始まる10分ほど前に手渡された「日本の旋律」をもとに自由にお弾きになるというもの。
どんな即興か…わくわくして待ちました。
すると聴こえてきたのは、なつかしい童謡・・・なんだったっけこのメロディ・・・ああそうだ、「かーごめかごめ、かーごのなーかのとーりーは、いついつでーやーる・・・」
このメロデイを一通り最後まで弾かれた後、コーイさんの自由な即興が始まりました。
弾けるようなリズムと複雑な、でも日本の香りのする和音が響き、とても魅力的な「かごめかごめ」です。
フーガになったり、だんだん使われるパイプが増えていって重厚な響きになります。
即興演奏というと、時々あまりにも現代的過ぎて音が汚いことがありますが、コーイさんの演奏は音が全然
汚れず、パイプオルガンの素晴らしい響きを楽しむことができました。
私たちの身近な歌が立派なオルガンの現代作品になったのを聴いた聴衆の私たちは、驚きとともに、惜しみない賞賛の拍手を彼に贈りました。
by fiorimusicali | 2013-06-17 16:57 | オルガン Organ | Comments(0)