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バッハの夕べ  Bach on Sunday evening

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日曜日の夜、私の恩師 鈴木雅明先生が名古屋にいらしてくださり、バッハコレギウム ジャパンのソプラノ歌手澤江衣里さんとご一緒に、トークコンサートを開いてくださいました。

これは名古屋バッハ・コレギウム倶楽部のスペシャルコンサートで、鈴木先生とBCJの熱烈なファンの方たちのいわばプライベートコンサートとも言えるアットホームなものでした。

会場は、名古屋市の地下鉄中村公園駅からすぐの「フィオリーレ」という小さな音楽スタジオです。

中村公園は、私が子供のころ 家族で、春にはお花見に来た想い出の場所です。
私が通った岩塚小学校もこの近くにあります。

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会場には、先生のことが載った新聞記事がたくさん貼ってありました。

コンサートは、雅明先生が、つい最近、ニューヨークフィルハーモニックオーケストラに招かれて指揮をなさったお話から始まりました。

NYフィルの音楽監督アラン・ギルバートさんから、ぜひ「マタイ受難曲」をと言われた先生が、古楽器でなく、現代楽器のオーケストラでは、マタイは、なかなか難しいからとお断りになり、現代楽器ならではのプログラムをと、
メンデルスゾーンが13歳の時に作曲した宗教曲「マニフィカート」や「クリスト」という素晴らしい作品と、バッハの「マニフィカート」や「主に向かって歌え」という作品を演奏なさったことを伺いました。

また、ニューヨークフィルの演奏レヴェルの高さと、楽団員の暖かさに感動なさったこと、先生が指導なさっているエール大学の合唱団と、BCJコーラスも共演し、素晴らしいコンサートになったことを、いつものように、ユーモアを交えて、楽しくお話ししてくださいました。
また、アラン・ギルバートさんのお母さまが、日本の方で、今でもニューヨークフィルでヴァイオリンを弾いていらっしゃることなど、日本とニューヨークフィルのご縁の深さを示すエピソードも興味深かったです。

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雅明先生のチェンバロ演奏は、とても優雅で魅力的です。
バッハの音楽の深さ、複雑に絡み合う旋律が織りなす天上の音楽・・・、その中で夜空にまたたく星のようにきらめく美しい装飾音が光り、先生の手から輝かしい音楽、慰めに満ちた調べがこぼれるように次から次へと奏でられます。

チェンバロの独奏の後は、素晴らしいソプラノの澤江衣里さんと、バッハのカンタータの中から有名な美しいアリアを聴かせてくださいました。
先生がBCJの「希望の星」とおっしゃった澤江さんの声は暖かく、観客を魅了しました。

そして、雅明先生はバッハが晩年目が見えなくなり、「フーガの技法」が絶筆となったということが知られているけれど、そうではなく「ロ短調ミサ曲」が最後の作品ではないかと思われる。

バッハは、ペンを持つ手が震えることが若いころから見られ、晩年は目が見えなくて作曲できなかったのではなくて、手がうまく動かないようになって、作曲できなくなったのではないかと思われる…「ロ短調ミサ曲」には、バッハのそのような非常に乱れた、薄い書き込みの跡があることが、最近お亡くなりになった小林義武教授の研究により発見された・・・などなど目からうろこが落ちるようなことを、お話ししてくださいました。

だれよりも深くバッハを愛し、研究に打ち込んでいらっしゃる先生のお話しと演奏を久しぶりに聴くことができて、本当によかったです。

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コンサートの後は、楽しいパーティ…チャーミングな澤江衣里さんもおいしいものを手に、ハイ、ポーズ・・・

一緒にコンサートを聴いた肇さんは、雅明先生に、「この間、鈴木先生のCDでバッハのパルティータを聴いたばかりです。今日ここで、実際に演奏を聴かせていただけるとは、思ってもみなかったです。とてもうれしかったです」とお話ししていました。

雅明先生、澤江さん、本当に素晴らしい演奏ありがとうございました。
また、名古屋にいらして下さる時を楽しみにしています。

素敵なバッハの夕べでした。

by fiorimusicali | 2013-03-18 03:39 | コンサートConcert | Comments(4)  

Commented at 2013-03-18 14:02 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fiorimusicali at 2013-03-18 16:59
鍵コメントさま

いつも素敵なお手紙をいただきありがとうございます。
内容のある、いいお話なので、鍵がかかっていて私だけ読ませていただいているのがもったいない思いです。

チェンバロは、楽器の装飾の美しさ、音色の典雅なこと、楽曲の上品さ、どれをとっても優雅のひとことですね。
鈴木雅明先生は、チェンバロもオルガンもお弾きになり、指揮者としても、またバッハ学者としても素晴らしい先生です。
お話も楽しいので、わたくしが、神戸松蔭女子学院大学に通わせていただいているときは、毎回の授業が、本当に楽しみでした。

先生の演奏を実際に聴いていただけるように、今度は、You Tube動画をUPしたいです。
音楽を言葉で表すのは、難しいですものね。
でも中山七里さんは、小説の中で、巧みに、音楽を書き表していらっしゃいますね…本当に感心します。
あらすじの面白さも加わって、どれもとても楽しい本ですね。

     Miyuki
Commented by コビトカバ at 2013-03-18 17:37 x
わぁ~凄い!!チェンバロとはこのような形なのですね。ごめんなさい、楽器にはなんとも疎くてお恥ずかしい。こちらの楽器は芸術ですね、いや~美しい。
調べてみたんですが、音色も癒されますね~
一つまた勉強になりました、ありがとうございます。
Commented by fiorimusicali at 2013-03-18 19:43
コビトカバさま

こんにちは!チェンバロとっても素敵でしょ…私もほしいのですが、まだ持っていません。
パイプオルガンもチェンバロも楽器自体がとっても美しくて楽しいと思います。
指使いは、現代のピアノとは、ちょっと違う、古典的指使いで弾いたりします。
わざと、でこぼこした感じにするんです…指番号3・4・3・4…とか中指と薬指ばっかり連続させたり・・・おもしろいでしょ?
昔の人は、そういう弾き方で、味をだしていたんだって!
つぎのページの先生の演奏も楽しんでくださいね。

     Miyuki
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